Case No.1
【導入事例】
【導入事例|D2Cプロテイン・新フレーバー開発】「水で飲む前提」は市場とズレていた — 実飲用者インタビューで勝てる味設計を事前特定
プロテイン新フレーバーの開発段階で、実際に継続飲用しているユーザーへの定性インタビューを実施。 「水前提で設計するか」という社内論点に対し、牛乳・豆乳派の厚みと”甘さ×濃さは別軸”という評価構造を可視化しました。
この事例の要点(30秒サマリー)・
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | D2Cプロテイン/サプリメーカー |
| 対象商品 | プロテイン新フレーバー開発 |
| 企業課題 | 試作評価はあるが「本当に刺さる味」が読めない/「水前提」で設計して良いか確信が持てない |
| 実施メニュー | 定性インタビュー調査(実飲用者への深掘り) |
| 主な成果 | “水前提”仮説の誤りを検証/味重視層の存在を特定/甘さと濃さが別軸で評価される構造を可視化 |
| 実施期間 | 約2週間 |
| N数 | N=50名 |
こんな方におすすめ
- 試作段階の仮説(味・使用シーン・ターゲット)に不安がある
- 開発方針の論点(濃厚 vs さっぱり/機能性 vs 嗜好品)で社内の意見が割れている
- 市場投入後に気づく前に、開発段階で仮説の盲点を潰したい
- 数字では測れない「どう飲まれているか」の文脈を理解したい
課題:「試作は悪くない」だけでは、方向性を決めきれなかった
プロテインの新フレーバー開発を進める中で、クライアント企業では次の課題を抱えていました。
- 試作段階では評価が悪くないが、市場投入判断の根拠が弱い
- プロテインは「水で飲む前提」で設計してよいのか確信が持てない
- 濃厚路線でいくべきか、さっぱり路線でいくべきか方向性が定まらない
- 味の設計が「機能性寄り」なのか「嗜好品寄り」なのか社内で意見が割れている
「美味しい/美味しくない」という評価軸だけでは、これらの論点を解けません。 必要だったのは、実際にユーザーがどんな文脈で、どう飲んでいるかを構造で理解することでした。
そこで、実際に継続的にプロテインを飲用しているユーザーへの深掘りインタビュー調査を実施。飲用実態・味の好み・割り方・甘さ許容ラインを可視化しました。
施策:実飲用環境ベースのインタビューで「飲用文脈」を特定
調査設計
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手法 | 定性インタビュー調査(実飲用者への深掘り) |
| 対象者 | 現在プロテインを継続飲用しているユーザー |
| ヒアリング項目 | 現在飲用中の商品/購入理由/飲用時の割り方(水/牛乳/豆乳)/割り方を選ぶ理由/甘さ・濃さ・後味の好み/カロリー意識/フレーバー選好(チョコ/ストロベリーなど) |
| N数 | N=50名 |
| 実施期間 | 約2週間 |
| 納品物 | インタビュー逐語録/飲用文脈分析レポート/フレーバー設計への打ち手提案 |
今回、特に重視したポイント
「味が好きかどうか」ではなく「どんな文脈で、どう飲まれているか」。 単なる味評価ではなく、飲用体験全体の構造を把握しました。
ユーザーは「チョコが好き/嫌い」を答えているわけではない。 「朝、牛乳で割って飲むときに、この甘さは重くないか」を答えている。 文脈を切り出せなければ、味設計は当てずっぽうになる。
成果:「水前提ではなかった」「味重視層は存在する」が明確化
Before / After:社内仮説 vs 調査で判明した実態
| 論点 | 開発前の社内仮説 | 調査で判明した実態 |
|---|---|---|
| 飲み方 | 「水で飲むユーザーが大半」 | 牛乳派・豆乳派が一定数存在/水だけでは「美味しくない」声 |
| 味設計の軸 | 濃厚 or さっぱりの二者択一 | 「甘さ」と「濃さ」は別軸で評価されている |
| 甘さ設計 | 満足感 = 濃厚・甘さ | 甘すぎNG(太りそう・口に残る)だが味はしっかり欲しい |
| 後味 | 議論の対象外 | 「後味スッキリ」重視の声が多数 |
| 商品カテゴリ認識 | 栄養補助食品 | 「味体験商品」として消費されている |
| カロリー | 水派=カロリー意識、牛乳派=美味しさ重視 | 両者のジレンマを抱えたまま飲んでいるのが実態 |
発見①:牛乳・豆乳で飲む層が想定以上に多い
開発前仮説では「水で飲むユーザーが大半」と想定していました。しかし実際には:
- 牛乳派・豆乳派が一定数存在
- 水だけでは「美味しくない」という声
- 牛乳で飲んだ方が美味しいという本音
プロテインは「栄養補助食品」ではなく、「味体験商品」として消費されている実態が浮き彫りに。
発見②:甘さと濃さは別軸で評価されている
- 甘すぎるのは嫌(太りそう・口に残る)
- しかし味はしっかり欲しい
- 濃厚すぎるのもNG
- 後味スッキリを重視する声が多数
「濃厚=満足感」ではなく、「飲み続けられる味バランス」が重要という構造が明確に。
発見③:カロリー意識と味満足のせめぎ合い
- 牛乳は美味しいが脂質が気になる
- 水はカロリー面で安心だが味が物足りない
このジレンマこそ、飲用体験の核心。味設計と同時に、訴求軸の再整理が必要であることが判明しました。
勝ち筋:「水で飲める」ではなく「水でも美味しい」設計へ
調査結果をもとに、以下の方向性が整理されました。
| # | 打ち手 | 狙い |
|---|---|---|
| 1 | 水割りでも満足できる味設計の再検討 | 最大公約数の飲用シーンに対応 |
| 2 | 甘さ閾値の見直し | 「太りそう/口に残る」不満の解消 |
| 3 | 「濃厚」ではなく「満足感」の言語化 | 商品訴求コピーの精度向上 |
| 4 | ビター系・甘さ控えめフレーバー強化 | 味重視層の獲得 |
| 5 | 牛乳・豆乳割り前提の訴求パターン設計 | 想定外の飲用文脈をマーケに反映 |
| 6 | 味重視ユーザー向けポジショニング | カテゴリ内での差別化軸を獲得 |
単なる栄養補助ではなく、「日常の味体験」としての再定義が鍵となりました。
副次的な示唆:将来のライン拡張ヒント
インタビューからは、今後の拡張ヒントも得られました。
- 1kgは飽きやすいという声 → 少量パック/ローテーション設計の可能性
- 甘さへの心理的抵抗 → 無糖・微糖ラインの設計余地
- フレーバーネーミングの印象影響 → 名称設計そのものが購買決定要因
- 水での溶けやすさより “飲み心地” 重視 → 機能訴求の軸を再設計
これらは将来的なSKU設計やライン拡張の有力テーマです。
まとめ:インタビューで、仮説の盲点を発売前に潰す
今回のプロジェクトでは、
- 水前提という開発仮説の再検証
- 味設計の優先順位の整理
- 飲用文脈の可視化
を実現しました。
市場投入後にレビューで気づくのではなく、開発段階で修正できる。 これが、実飲用文脈ベースのインタビュー調査の最大の価値です。
商品開発における意思決定精度を高めたい企業にとって、極めて有効なアプローチといえます。
貴社の新商品でも「仮説の盲点」を発売前に潰しませんか?
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